【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」有馬記念プレビュー①~ラストランで有終の美を

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この1年で3つのG1を勝利したリスグラシュー。ダミアン・レーン騎手も来日予定で準備万端か(18年府中牝馬ステークス、撮影・おかだ)

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競馬ページ担当の おかだ です!

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今回から3回にわたって有馬記念(G1、中山、芝2500m、12月22日)について取り上げます。多くのG1馬が出走を予定しており、近年まれにみるハイレベルなグランプリになることが予想されます。

12月4日、ファン投票の結果が発表されました。アーモンドアイ(牝4)が唯一の10万票超えで1位。参戦について正式発表はありませんが、レースを左右する1頭になることは確実で動向が注目されます。

そして2位にはリスグラシュー(牝5)がランクイン。3位以下にはキセキ(牡5)などG1馬が上位に名を連ねました。

2019年の有馬記念では、リスグラシューをはじめ多くの活躍馬が引退レース、「ラストラン」として出走を予定しています。そこで今回は出走予定馬の中から、ラストランに懸ける馬たちを紹介します。

 

 

 

 

もう一花咲かせたい~リスグラシュー

1年余りでG1初勝利から海外G1 制覇まで成し遂げたリスグラシュー。今回は主役の1頭です。

2歳時から同世代のトップクラスに位置付けられましたが、3歳時の牝馬G1戦線では、桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着と、あと一歩。4歳になってからはマイル路線に活路を求めましたが、G1タイトルには届きませんでした。

G1に縁がないまま迎えた4歳秋、2年連続出走となったエリザベス女王杯(G1)で転機が訪れます。レースはゆったりとした流れの中で、中団に待機。最後の直線、逃げたクロコスミアが内で粘るところに外から1頭、力強く足を伸ばし、G1で初めて先頭でゴールを駆け抜けました。

G1初制覇後、香港ヴァーズ、クイーンエリザベス2世カップで2着と国際G1でも善戦。帰国して臨んだ19年6月の宝塚記念(G1)は同世代の強豪牡馬相手に完勝しました。

同年10月には、豪州伝統のG1・コックスプレートに挑戦。後方でレースを進め、4コーナーで外から豪快にまくって、直線では独壇場となって海外G1制覇。4歳秋までG1に届かなかった馬が、1年余りで海外を含む3つのG1タイトルを手にしました。

有馬記念では、宝塚記念、コックスプレートでコンビを組んだダミアン・レーン騎手が騎乗予定。リスグラシューはフランス語で優美な百合。最後にもう一花咲かせて、有終の美を飾ります。

思い出の地で有終なるか~アルアイン

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秋は大敗続きのアルアイン。師走の中山でもう一度激走なるか(19年天皇賞・秋、撮影・おかだ)

17年皐月賞、19年大阪杯を制したG1・2勝馬アルアイン(牡5)。2000m前後の中距離戦線で常に上位で走り続けたこの馬も引退を迎えます。

皐月賞は伏兵扱いの9番人気。先行する形でレースを進めて、最後は先に抜け出したペルシアンナイトをクビ差かわしてゴール。騎乗した松山弘平騎手とともにG1初制覇を飾りました。

その後もG1戦線で善戦しましたが、1年以上勝ち星から遠ざかっていました。19年3月の大阪杯、道中は内で控えて、最後の直線、内から抜け出すとキセキ、ワグネリアンの猛追を振り切ってゴール。久々の勝利がG1となりました。

19年秋はG1連戦で、天皇賞・秋14着、マイルチャンピオンシップ16着。上半期とは対照的な結果になっています。最後は皐月賞を勝利した舞台で、G1初制覇を成し遂げた松山騎手とともに駆け抜けます。

東京だけとは言わせない~アエロリット

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東京巧者のアエロリット。一気の距離延長に対応できるかがカギ(19年毎日王冠、撮影・おかだ)

近年のマイル路線では欠かせない存在だったアエロリット(牝5)。一気に距離を伸ばして、最後のレースに挑みます。

3歳時はNHKマイルカップ(G1)を勝利。以降、東京競馬場の芝1600m、1800mを主戦場に逃げの競馬で安定感ある走りを見せてくれました。

牡馬相手にも「肉を切って骨を断つ」レース運びで、常に上位争いを繰り広げてきました。19年10月の天皇賞・秋(G1)でも逃げて3着。アーモンドアイ、ダノンプレミアムにかわされましたが、ゴール手前では、もう一度ダノンプレミアムを差し返そうとする勝負根性も見られました。

東京競馬場では10戦して1度も掲示板(5着以内)を外しませんでした。一方、中山競馬場は3戦して2着3回と勝ち星はありませんが、大崩れもしていません。2000mを超えるレースは最初で最後。自慢の先行力で他馬の追撃を振り切れるでしょうか。

古馬になって大成~シュヴァルグラン

17年ジャパンカップ(G1)覇者のシュヴァルグラン(牡7)。中長距離G1の常連馬もターフを去ります。

4歳春の阪神大賞典(G2)で重賞初制覇。3歳時のクラシックレース参戦はありませんでしたが、下級条件を勝ち上がり、徐々に力をつけてきました。

G1・7勝を挙げたキタサンブラックが君臨していたG1戦線で何度も跳ね返されましたが、17年11月のジャパンカップ、逃げるキタサンブラックを直線で捉えて悲願のG1制覇を飾りました。

以降、有馬記念2年連続3着、海外G1挑戦も勝利はありません。好走を続けてきた年末のグランプリ。最後は先頭でゴールしたいところです。

G1本番で力を発揮~クロコスミア

エリザベス女王杯(G1)3年連続2着のクロコスミア(牝6)もラストラン。G1前哨戦では敗れても、本番ですんなり逃げ・先行の形に持ち込むと、常に上位に残りました。

19年は距離が短いと思われたヴィクトリアマイル(G1)でも3着と力を発揮。11月のエリザベス女王杯ではマイペースの逃げで2着に粘り、3年連続の銀メダル。G1制覇はありませんが、大舞台での激走には毎回驚かされました。

今回はクロコスミアと同じように逃げたい、先行したい馬が揃っています。マイペースに持ち込めれば侮れない1頭。先手争いを制して、自分の競馬に徹することが好走の条件です。

最後にもう1頭、出否未定ですが、2019年いっぱいで引退予定のレイデオロ(牡5)です。5歳世代のダービー馬として、中距離G1戦線の主役を担ってきました。18年の天皇賞・秋でG1・2勝目を挙げ、2018年の有馬記念は2着でしたが、19年は1度も3着以内なし。精彩を欠いています。

出走すればラストラン。G1戦線をともに戦ったライバルたちを相手に、再び輝くことはできるでしょうか。



今回はここまで。
次回も有馬記念の話題。古馬に挑む3歳馬について取り上げます!



参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト